倒産しないFX業者選び
FX業界が揺れている。東日本大震災後の為替相場の急激な円高で個人投資家の一部が損失を抱えたことに加えて、2011年夏には金融庁がレバレッジの上限規制を現在の50倍から25倍に強化することになっている。少ない元手で大きな金額の取引ができるFX投資の魅力が薄れる面もあり、個人投資家のFX離れが進みつつあると危惧されている。
その一方、FX業者にとっては減ってくるお客を奪い合うサバイバル競争がはじまっている。ここ数年で異業種を含め、参入者が相次いだFX業界も再編の波が押し寄せているようだ。実際、FXから撤退する業者も多く、倒産、撤退、これに伴うFX業界の再編などもあることも予想されている。今こそ、安心のFX業者選びを再考したい。
現在の優良業者の特徴
適正な手数料、スプレッドを収益源にしているかどうかがポイント
投資家の厳しい選択眼も業界の健全化に必要
金融庁の規制をきっかけに業界の淘汰がはじまったFX業界だが、業界の健全化には投資家の選択眼も大きな役割を果たす。外資系金融機関で資産運用業務に携わる傍ら、FXブログで情報を発信するカリスマブロガーはこう指摘する。
「投資家に不利益を与える業者は本来、規制によってではなく、投資家の選別によって淘汰されるべきです。投資家の目が厳しくなるにつれて、不良業者が自然と退場を余儀なくされるのが理想でしょう」
では、投資家はどのような視点で業者を選別すればよいのだろうか。
優良な業者の特徴を次のように語る。
「経営者が素晴らしいのが特徴といえます。昔は、経営者の顔が見えない(社長の顔写真や経歴や理念をHPで掲載していない)というFX業者も存在しました。決して会社の規模などではなく、小規模であっても経営理念、方針、注力しているサービスなどが明確で投資家として共感できるような業者は必ず業績が伸びています」
しっかりとした経営基盤も重要だ。信託保全によって資金は守られているといっても、将来破たんするような業者との取引は避けたい。長く生き残れる会社とは「財務体質のしっかりとした会社、つまり体力のある会社、長年の実績により信頼を勝ち得ている会社、さらにシステムがしっかりしている会社」という。
取引する会社を選ぶ際にはこのような点をしっかりと見極めたい。そこで、初心者でも優良な会社を見分けやすいポイントについて見てみよう。
ひとつは適正な収益源を確保しているということだ。しっかりとした収益源がなければ、経営体質は悪化するし、投資家の利益を損なうような歪んだ収益構造になる可能性がある。収益をどこで確保している分からないような業者は危険だ。店頭FXでは手数料ゼロの会社が多くなっているが、本来は不自然。それはくりっく365や大証FXを見れば分かる。これらは投資家の注文をそのまま取引所に流すため、投資家の見えないところで収益を確保することができない。だから、手数料をきっちり取っている。店頭FXでも手数料を取っている会社のほうが逆に健全といえるかもしれない。
極端に狭いスプレッドも不自然だ。
FX業者にとってカバー先の銀行は、言ってみれば仕入先のようなもの。投資家から外貨の買いの注文が入れば、カバー先から外貨を仕入れて売る。カバー先から仕入れる時にもスプレッドは存在し、米ドルノ円の通貨ペアであれば最低でも1銭が常識だ。
ということは、FX業者が0.7銭、0.8銭という1銭を切るスプレッドを提示するのは、赤字大売出しの状態といえる。一時的なキャンペーンならまだしも常時そのようなスプレッドを提供するのは不自然であるといえる。
信託保全の義務化でギブアップする業者も
FX業者の体力を見極めるには信託保全や自己資本規制比率が重要だ。
2010年2月の信託保全の完全義務化によってすべてのFX会社が信託保全を実施しているがこれには大きな資金力が必要となる。投資家の資金を信託銀行に預けてしまえば、注文に必要な証拠金はFX業者が立て替えなければならないからだ。証拠金が不足すれば売買停止ということもありうる。よって、規制前にあわてて信託保全を取り入れた業者より、古くから実施している業者のほうが安心だといえる。
自己資本規制比率は、想定されるリスクがすべて発生したときに耐えられる体力を持っているかを示す指標だ。FX業者を選ぶ際にはこのような点がポイントとなる。次ページからはさらに具体的に業者選びのルールについて紹介しよう。
為替相場(FX)は米ドルが軟調。日経平均は引き続き9600円を中心とした、狭いレンジ取引が続きそうである。米国ではJPモルガンの好決算が評価される一方、住宅差し押さえ手続きへの規制方針が警戒されるなど、好悪まちまちの材料によって方向感が掴みづらい。為替市場ではドル、ユーロともに若干ながら円高に振れていることも 手掛けづらくさせる。